主な通貨・金融危機
来週からいよいよ9月、既に2018年も残り3ヶ月。「平成」として最後の秋を迎えます。
毎年、秋になると思いだされるのが今から31年前、1987年10月19日(月曜日)ニューヨーク証券取引所を発端に起こった、史上最大規模の世界的株価の第暴落、「ブラックマンデー(米株の暴落)」です。
翌20日火曜日、ニューヨークから引続いた日本のマーケットがオープンし、東証の日本の夕刊の株価(午前の終値掲載)の欄がほぼすべての会社が下げ、会社によっては価格が付かない企業もあった記憶があります。
それを受けてか、マーケットではよく金融危機10年サイクル説と言うものが言われています。
1987年10月 ブラックマンデー(米株の暴落)
1998年10月 LTCM(米ヘッジファンド)の破綻
2008年9月 リーマン・ショック
過去3回、おおよそ10年周期で金融危機が起きてます。
今年は2008年のリーマン・ショックから10年にあたることもあって、何らかのショックが発生しないか警戒だけはしておく必要はあるかもしれません。
金融危機の共通点
ここで挙げた金融危機に共通した点は、米国の利上げサイクルと関係が深いということです。米国が利上げしたことで、世界の資金の流れが変化し、とくに流動性が低下したことが様々なショックをもたらしたと解釈することができます。
ブラックマンデーの時は、前年の1986年12月にFRBが利上げを開始。
LTCM破たんの時は、その4年前の1994年2月に利上げが開始されました。
そして、リーマン・ショックの時にも、その4年前の2004年6月が利上げの開始でした。
今の局面では2015年12月に利上げが開始されています。
そして今年は2018年!!! 何かがあるのでしょうか???
起こりうる要素は有ります。
米大統領中間選挙、トルコ通貨危機、北朝鮮核関連問題、イランの石油・原子力開発問題。
一つ一つではそれほどのインパクトは大きくなくても、危機の場合にはそれぞれの要素が複合的に重なり、結果は掛け算の相乗効果で大きくなってしまう傾向はあります。
過去にも大きな動きがあった年を振り返ってみると
1971年 ニクソンショック ドル金交換停止。73年、固定相場制から変動相場制へ
7年間
1978年 カーターショック ドル防衛策。インフレ
7年間
1985年 プラザ合意 ドル高是正。双子の赤字
7年間
1992年 欧州通貨危機 ポンドERM離脱。ドイツ高金利政策。
2年間
1994年 メキシコ通貨危機 NAFTA(北米自由貿易協定)発足。ペソ切り下げ変動相場制へ
3年間
1997年 アジア通貨危機 短期外資借入。固定相場制崩壊。
1年間
1998年 ロシア通貨危機 インフレ財政赤字。ルーブル切り下げ・対外債務支援凍結。
3年間
2001年 アルゼンチン通貨危機 デフォルト宣言。固定相場制崩壊。
6年間
2007年 金融危機 流動性・信用危機 非伝統的金融政策
3年間
2010年 ユーロ危機 国家債務危機 財政統合の必要性。
(2013年には米国経済が底堅く推移し、欧州も長期的な低迷から回復し、しいて言えば2015年ギリシャ経済危機・中国ショック(8月)と2018年のトルコ通貨問題位かもしれません。)
8年間
2018年 ユーロ危機以降は、今のところ過去の経験則を生かして目立った危機は発生してません。
ただ、毎年秋は「薄商い(売買数量が少ない状態)で指標だけが上がっていくとバブル崩壊直前(1989年秋から暮れ)の相場を連想」する事になるのでマーケットは神経質に陥りやすいのです。
過去、3年から7年周期で起こる大きな動きや危機、色々な事例を見ても今年の秋は注意が必要かもしれません。
相場は大きな流れを捉えることが重要です。
リスクを伴うので、大事な資金のリスク管理はしっかり行なっていく必要があります。