新興国通貨の取引にはご用心を

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日本のFXトレーダーの方の間では、南アランドやメキシコペソなど新興国通貨の取引が人気です。

弊社にも、「トルコリラや南アランドが取引できる海外FX会社は？」というようなお問い合わせがしばしば寄せられます。

多くのトレーダーさんがこれら新興国通貨に関心を寄せるのは、そのスワップの高さが理由です。

例えば、XMのMT4でUSDTRYの取引条件を見てみましょう。

USDTRY 取引条件

赤枠で囲ったように、現状XMのUSDTRYのスワップポイントはを買いが-242.47ポイント、売りが168.83ポイントと設定されています。XMのドル円のスワップポイントが買い4.04ポイント、売り-10.16ポイントであることと比較すると、文字通り桁違いの大きさです。

スワップポイントはそれぞれの中央銀行の政策金利の変化に応じて変更されますが、上の画像の条件と現在の為替レートで計算すれば、USDTRYを1.0ロット売ると1日当たり2,940.78円のスワップ収入を得られることになります。たしかにこれは魅力的なインカムゲインですね。スワップの計算につきましては、以下の記事をご参照ください。

取引から得られるスワップはどのように計算できますか？｜海外FXお役立ちガイド

しかし、新興国通貨を利用したスワップ狙いの取引には落とし穴があります。それは、価格変動の大きさによる含み損失に耐えられるか、ということです。

南アフリカ、ブラジル、メキシコ、トルコなど、これら国内FX会社がプッシュしている高スワップ金利が魅力の新興国は概して、政治・経済・金融システムに不安定さが伴います。そのため、突然、価格が急落することもしばしば。

例えば、現在トルコリラの急落が市場を揺るがしています。下図はIFCMarketsのNetTradeXで取引できるトルコリラ円の週足チャートです。

TRYJPY 取引条件

円に対するトルコリラの下落傾向は数年前から続いているのですが、ここ2週間で過去にないスピードで売られています。その原因はトルコで拘束されているアメリカ人牧師の釈放を巡って、アメリカとトルコの関係が急速に悪化したためです。

さらに、トルコリラ急落に対応するため、トランプ大統領が米通商代表部にトルコからの輸入品に追加関税を指示したことも、さらなるトルコリラ売りを引き起こしています。

米大統領、トルコからのアルミ・鉄鋼関税引き上げ表明　拡大通商法に基づき｜ロイター

スワップはポジションを日をまたいで保有することで発生します。つまり、長期保有すればするほど得られるスワップ収入は増えることになります。ですが、上で見たような価格変動の中で、新興国通貨を中長期保有し続けることはほぼ不可能です。スワップ収入が数万円くらいのまとまった金額に達する前に、証拠金維持率が下がりロスカットが発動してしまうでしょう。

そうなると、今まで含み損として我慢していた損失が残高から差し引かれ、時間を掛けて貯めていたスワップも相殺されてしまいます。。。

こういった現象は新興国通貨を取引する際によく目にする光景ですので、十分に注意して取引をしてください。因みに、トルコリラの取引に関して、現在IFCMarketsとHotForexが取引制限を設けていますので、この点も予めご確認ください。

【IFCMarkets】トルコリラ通貨ペアの取引制限｜海外FXお役立ちガイド

【HotForex】USDTRYの取引制限｜海外FXお役立ちガイド

高スワップ取引をするのなら、ありきたりかもしれませんが、新興国よりも政治経済が安定している豪ドルとNZドルが確実であると思います。

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