フローとディレクション

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今回はディーリングの手法と題し、「フローとディレクション」に関しての一考察です。

一般に"流れ(フロー)"を重視するディーリングの方がリスクは小さいとされてます

フローを重視する方法

ディーリングのプロとされるいわゆるディラーには大別すると、二つのタイプがあります。

一つは為替取引のフロー(流れ)を重視するタイプ、もう一つは相場のディレクション(方向性)を重視するタイプです。

市場では、ある局面では買い値―ズ需要が多かったり、またある局面では売りが多かったりと、売買が交錯しながらレートが変動します。

ここで買いが多いとは、市場のオファーレート(売値)をテイク(買う)する取引が多いと言うことになります。

売りが多いとは、市場のビッドレート(買値)をヒット(売る)する取引が多いという事です。

フロー(流れ)を重視するディラーは、こうした取引の流れに乗ります。

一般的に買いが多いと、レート(価格)は上がり、売りが多いとレートは下がります。

この方法をとる場合は、ニュースやチャートポイントなどはあまり注目しません。フローだけを見て売買の判断をするのです。

この方法は、フローに応じてポジションを頻繁に変えて行くので、短期間の鞘(値段差の利益)取りには適しています。

ポジションを保有する時間は極めて短いので、リスクは小さく、差益も小さいですが、安定的に収益を積み上げる方法でもあります。

ただし、取引件数が多くなってしまい、取引手数料などのコストも高くなってしまいます。

この方法をとるには、市場でのフローがある程度見えるか、あるいは分かる立場にいる事が必要であり有利ですので、多くの取引ポジションのフローが集中する大手の銀行ディラー達には有効な方法になります。

方向性を重視する方法

ディレクション(方向性)を重視する方法では、相場の方向性・流れを見極めながら売買をしていきます。

チャートや、経済指標、ニュースなので相場の方向性を判断します。

フロー重視のディーリングに比べると、必然的にポジションを保有する時間は長く、当然リスクもそれだけ大きくなります。

ただ、同じディレクションを重視すると言っても、人によって相場の方向性を捉える期間やタイミング、ポジションの数量には違いがあります。

一日のなかでの方向性にかけてショートタームでポジションテイクする者もいれば、数か月間のミディアムタームで相場の方向性を見てポジションテイクするものもいます。

ポジションの転換

フロー 
売り⇒買い⇒売り⇒買い⇒売り⇒買い 取引は勢い重視。相場の流れに乗る。
                  リスク小、収益小、収益は安定

ディレクション
買い⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒売り ニュース、チャート、経済指標重視         
                  リスク中以上、収益中以上、収益はブレやすい

相場の方向性を判断するには二つのやり方が最も良く知られています。

これは為替レートの予測方法にもつながる、テクニカル分析(チャート分析)とファンダメンタルズ分析です。

簡単に言いますと、テクニカル分析は、為替レートの過去の値動きそのものから、今後の相場の方向性を判断する方法です。

一方、ファンダメンタルズ分析は、経済の基礎的諸条件(ファンダメンタルズ)と為替レートの関係から相場の予測をする方法です。

簡単なチャートの本を購入されてみて少し深堀するのも良いのではないでしょうか?

チャートは未来を予測は出来ませんが、過去の経験則は参考になるものです。

取引にあたってはストップロス・ポジションの額を常に念頭に置き、大切な資金ですから取引には細心の注意をしていきましょう。

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