ドル/円相場の「1月効果」とは
(円高になるか円安になるか1年間の方向感を探る重要な材料になる)
過去の経験則を見ると、ドル/円相場は1月のマーケットの方向性と年間を通しての方向性が一致する事がかなり多いとされています。
また、「1月の為替レートは、その年の高値か底値になりやすい」とも言われています。
ドル/円相場の「1月効果」
「1月の為替相場の動きをみれば、その年の相場動向が読み取れる」、これがドル/円相場の「1月効果」といわれている経験則です。
相場ですから100%ではありませんが、過去44年間を調べてみるとかなり高い確率でそのようになって来ていました。
詳しく見てみると、1月効果説の的中率は44年間(1974年から2017年)でみてみると31回に及び、確率は70.5%になりました。33年間(1974年から2006年)でみると、実に27回で確率は82%にもなります。
逆に、2007年から2017年の11年間では4回だけで、確率は36%でした。(2011年以降の9年間でみると「2勝7敗」でした。)
近年は「不確実性」が増大し「1月効果」の的中率は低下しています。
なぜ、「1月効果」なるものが起きるのでしょうか?
最も有力とされているのは、毎年1月スタート・12月エンドという暦年を基準にして動いている海外機関投資家(日本の会計年度は毎年4月スタートの翌年3月エンド)の年間シナリオ(計画)とそれに沿った売買動向を反映している為とも言われています。
「不確実性の時代」なのでしょうか?10年前の2008年9月の「リーマンショック」で現在の我々が経験しえなかった金融危機に直面した世界経済。
その後の各国による「金融政策の総動員」で統計上だけ?或いは厚化粧させてV字回復をみせた経済成長。
この前例のない大規模な金融緩和をどの様に終息させ、上手くソフトランディングさせられるのか、アメリカトランプ政権の外交・金融政策、中国との貿易問題、欧州のBrexit問題やグローバル化の流れは?、保護主義は?、
不透明な材料が多く年間のシナリオや予測がますます描きにくくなってます。
年の途中で急に流れをひっくり返す様な出来事が非常に起こりやすくなってきてもいます。
(自然災害も)為替相場も過去の例を見てもまだまだ「平時のシナリオ」に戻っていないと言えるでしょう。
2018年の1月寄り値は112円65銭(1月終値109円17銭)でした。
来週12月31日(月)に109円17銭を割れていれば、2018年の1月効果説は当たったと言うことになります。
1月の為替レートは、その年の高値か底値になりやすい
1月の為替レートが、その年の高値か安値になるのか?
昨年2017年をチャートで確認してみると、最高値になっていて、確かに高値か底値になっていました。
こういう傾向が出る原因は恐らく、アメリカに投資が向くか、アメリカ以外に投資が向くかというトレンドがあるからなのかもしれません。
アメリカに投資が集まれば、ドルの需要が高まるからドル高になり、アメリカ以外に投資が向けば、ドル安方向のトレンドが形成されます。
また、ドルに関しては、アメリカの多くの企業が、11月決算か12月決算なので、ドル高になりやすい傾向もあります。
というのも11月12月は、アメリカの企業が決算のために、利益をドルに替える動き(ドル買い/他通貨売り)が活発になるからです。
そして年末年始は閑散取引になるので動きは少なくなる傾向は有りますが、1月になるとドル円の為替レートは大きく動きやすくなって来ます。
これは1月が欧米の多くの企業の年度初めに当たるので、新しく海外投資をするために外貨を買うからだと考えられています。 この動きはたいてい、2月上旬の節分の頃まで続くとされています。
過去13年間をみてみると、
安値は、2005年、2009年、2012年、2013年、2014年、2015年
高値は、2006年、2007年、2008年、2010年、2011年、2016年、2017年
でした。2018年はあと数日どんな動きがるのでしょうか?