1月3日のマーケットを振り返ってみると。。。

chart-1905224_1280.jpg1月3日に一時ドル円は104円台に。日本時間朝7時35分から1分間で一時108円ミドルから4円も円高に。

2週間前の1月3日の日本時間7時35分、ドル円相場に異変というか激震が走りました。わずか1分間の間で円はドルに対して4円もの円高の104円台になり、9ヶ月ぶりの円高ドル安局面に。

通常、年末年始の薄商いの中で為替が動く事はしばしば見受けられることではあります。しかし今回急騰を招いたのは個人投資家と人工知能(AI)とされてます。

円安に安心しきっていた個人投資家が狙われ、それを見たAIが損切りに動いて、売りが売りを呼び、この急落に拍車をかけ104円台になったとされてます。

多くの個人投資家は正月のおとそ気分が抜けない中で、冷や水を浴びせられ、更に殴られた感じでしょうか。

この日を振り返ると、

日本は1月3日(木)三が日の休日(世界は1月2日より取引開始)の最終日。

通常の日なら朝の7時35分はちょうどシドニー・ウェリントン市場から東京市場へのバトンタッチが行なわれる時間で、1日の内で一番マーケットの取引と流動性が乏しい時間帯であります。

しかし、3日はシドニー・ウェリントンから引き継ぐはずの東京が休場。7時35分に1ドル108円台前半だったレートが1分後には104円10銭まで。

そしてその30分後の8時過ぎには107円前半まで戻しました。

このジェットコースターの様なマーケットを演出したのは、海外投資家と日本の個人、それとAIでした。薄いマーケットでは、通常ではさほど動かない売り買いの取引量でも、マーケットへの影響は強いものがあります。

今回のきっかけはそれを見こんだ、まとまった円買いドル売りのようでした。

年末年始は、日本企業・や融機関のトレーダーや機関投資家がクリスマス・年末年始の休暇を取るため、極端に取引量は減少します。そんな中で海外のヘッジファンド達の円買いの仕掛けも入った可能性は高かった様でした。

昨年の10月から年末までのドル円相場は下は約110円から上は114円の4円の狭いレンジでした。この値幅を1月3日の朝はわずか1分間で更新してしまいました。

本来、FXは為替の値動きが小さければ利益も少なくなる(逆に値幅が大きければ利益は大きくなる)ものです。

昨年後半より一般投資家が狙っていた動きは、米国金利の上昇に伴う日米金利差を狙った、ドルのキャリートレード(米国ドルロングの日本円ショート)による金利収入(FXではSWAP金利狙い)でした。

円で米国ドルを買って持ち続けられれば、金利収入が、得られます。この人達のドルロング円ショートポジションを崩す狙いで標的にされた感がありました。

自動精算によるロスカットの為のストップロスのレベルを108円台に設定していた投資家も多く、海外勢による更なる円買いで108円を切れて行くと、連鎖的な円買い・ドル売りの強制決済の連鎖が発生しました。

この日は個人のロスカットが前日2日の約10倍に膨れ上がったとも言われています。

この時、同時に動いたのは、AIでした。ニュースや相場などのビッグデータをもとに売買するアルゴリズム取引は、あらかじめ決められた条件になると自動で売買注文や決済を出します。人間のように、レートが戻る期待や感情による躊躇もなく。

ヘッジファンドによる円売り(ドル買い)持ち高の損益分岐点は112円台とされており、108円から109円を割れてくる円高になると加速度的なドル売りがドル売りを呼んで、ドルロング(円ショート)のポジションを手じまうようになります。

もし、108円ミドルで円買いドル売りを仕掛けた投資家は104円ミドルでドル買い円売りで利益を確定していたら、1分間で4円もの利益を得ていた事になりました。

昨年2018年の1年間のドル円の値幅を見てみると、

Hi    10月 114円55銭

Low      3月 104円64銭

1月3日は昨年1年間での約10円の値幅の約半分の5円をわずか1分でつけたことになります。流動性取引量の低いアジア時間、更に、日本休日の早朝に起こり結果的に日本のFX投資家が巻き込まれてしまった感があります。


次はいつ注意が必要なのか?

それは平成から改元に伴う、4月下旬から5月上旬にかけての10連休中なのでしょう。日本の金融機関がこの様な長期間休みになることは有りませんでした。

そしてこのうち日程的には、4月29日(月)、5月3日(金)、5月6日(月)の日本時間の早朝朝は要注意です。

対策として、いつもよりレバレッジを低く設定するか、元手(証拠金)を増やすなどの対応や、一旦ポジションをスクエァ(ゼロ)にするのも良いのかもしれません。

取引にあたってはストップロス・ポジションの額を常に念頭に置き、大切な資金ですから取引には細心の注意をしていきましょう。

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