先週のFX市場はドルとそれ以外の動きがくっきりと明暗分かれる展開となりました。
トランプ大統領の「ウクライナ疑惑」ならびに大統領弾劾調査に関する報道が過熱しています。一時的にリスクオフの動きが見られましたが、アメリカ経済自体の底堅さがのためか、時間がたつとドルは買われていきます。対照的に、欧州通貨は先行きを楽観できる要素がないため、自然と売り先行の展開に。。。このトレンドの違いはしばらく続きそうです。
さて、今週から10月に突入です。10月第1週ということで、毎月恒例のアメリカ雇用統計の発表が予定されていますね。しっかりトレードチャンスを生かして利益をゲットしましょう!
さっそく、今週の経済イベントからご紹介します。
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今週発表される重要指標
今週これから発表される重要指標・イベントをざっとまとめてみます。
9/30(月)
・日本時間08:50 日8月鉱工業生産(市場予想前月比-0.4%)
・日本時間16:55 独9月失業率(市場予想5.0%)
・日本時間17:30 英2019Q2GDP改定値(市場予想前年同月比+1.2%)
・日本時間18:00 EU8月失業率(市場予想7.5%)
・日本時間21:00 独9月CPI(市場予想前月比+0.1%)
・日本時間22:45 米9月シカゴ購買部協会景気指数(市場予想50.0)
10/1(火)
・中国国慶節(~10/4)
・日本時間08:50 日2019Q3日銀短観大企業製造業業況判断(市場予想+2.0)
・日本時間16:55 独9月製造業PMI改定値(市場予想41.4)
・日本時間17:00 EU9月製造業PMI改定値(市場予想45.6)
・日本時間17:30 英9月製造業PMI(市場予想48.1)
・日本時間18:00 EU9月HICP(市場予想前年同月比+1.0%)
・日本時間21:50 クラリダFRB副議長発言
・日本時間22:30 ボウマンFRB理事講演
・日本時間23:00 米9月ISM製造業景況指数(市場予想50.5)
・日本時間26:30 バイトマン独中銀総裁講演
10/2(水)
・中国国慶節
・日本時間17:30 英9月建設業PMI(市場予想45.9)
・日本時間21:15 米9月ADP雇用統計(市場予想前月比+14.0万人)
・日本時間22:00 フィラデルフィア連銀総裁講演
・日本時間23:50 ウィリアムズNY連銀総裁発言
10/3(木)
・中国国慶節
・日本時間15:45 シカゴ連銀総裁講演
・日本時間16:55 独9月サービス部門PMI改定値(市場予想52.5)
・日本時間17:00 EU9月サービス部門PMI改定値(市場予想52.5)
・日本時間17:30 英9月サービス部門PMI(市場予想50.3)
・日本時間18:00 EU8月小売売上高(市場予想前月比+0.3%)
・日本時間21:30 クオールズFRB副議長公園
・日本時間23:00 米9月ISM非製造業景況指数(市場予想55.2)
・日本時間25:10 クリーブランド連銀総裁発言
10/4(金)
・中国国慶節
・日本時間07:35 クラリダFRB副議長発言
・日本時間21:30 米8月非農業部門雇用者数変化(市場予想前月比+14.0万人)
・日本時間21:30 米9月失業率(市場予想3.7%)
・日本時間21:30 米9月平均時給(市場予想前年同月比+3.2%)
・日本時間23:25 アトランタ連銀総裁講演
・日本時間27:00 パウエルFRB議長発言
・日本時間27:10 ブレイナードFRB理事発言
今週の経済指標・イベントで一番重要なのは、言わずもがなアメリカ雇用統計(4日)です。事前に公表されるADP雇用統計(2日)発表時にも相場は動くので忘れずにチェックしましょう。雇用統計発表後には、
この他には、ISM製造業(1日)、日銀短観(2日)、ISM非製造業(3日)が重要となります。
今週は国慶節のため、中国からの取引量が極端に減るため、とくに東京時間のスプレッドに影響が出る可能性があるのでご注意ください。また、米中貿易協議、ブレグジットに加えて、ウクライナ疑惑もリスク要因となっていますので、一連のニュースはフォローしておくことをおすすめします。
ドル円
ドル円はウクライナ疑惑で動揺が走りましたが、底堅さが改めて浮き彫りになりました。
月曜は日本が祝日のため、スローペースで取引が始まりました。欧州勢が市場に入ってくるタイミングで欧米諸国のPMIが発表に。この値が軒並み市場予想割れのため、ドルも引きずられように40Pipsほど下げ(107.71円→107.30円)。この水準は9/10以来でした。
その後は底を打ち反転。翌火曜は日本勢も市場に戻ってきたため、ドルの買い支えが堅調でした。「米中閣僚協議は2週間以内に再開」との発言がムニューシン財務長官から出るなど、ポジティブなニュースが見られたため、ドル円は続伸。月曜の107.70円まで回復します。
しかし、24日夜に「トランプ大統領、武器供与を見返りにウクライナ大統領にバイデン前副大統領の調査を依頼」との報道が流れ、一気にドル売りに!下げ幅は70Pips以上となり、一時107円割れとなりました。。。
日付が変わると、心理的に落ち着いたのか、再びドルが買い戻されます。やはり、アメリカ経済の底堅さがあるため基本的にはドル買いが先行するようですね。水曜深夜には107.80円まで到達。週後半は比較的崩れることなく、108円を目指す動きもみられるようになりました。
底堅く推移する中、金曜ロンドン時間以降には、ドルは108円にタッチ。108.17円の週高値を記録しましたが、「トランプ政権、中国株の米上場廃止を検討」との報道が出て、急反転。107.79円まで下がるものの、若干買い戻されて107.91円でクローズを迎えました。
最近のドル円は上昇しては落下、を繰り返しており、スキャルピングをされている方にはオイシイ環境といえるかもしれません。今週は10月初週ということもあり、金曜の雇用統計に向けて取引が活発になっていくことが予想されます。今週の取引方針はひとまず中立とします。買いの場合、買いエントリーは107.65円、利食いは108.10円、損切りは107.40円にそれぞれ置きます。一方、売りの場合は108.15円で売りエントリー、107.66円で利食い、108.33円に損切りを設定します。
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ユーロ円
先週のユーロ円は右肩下がりのトレンドが根強く維持されたままでした。
日本の祝日のため、ユーロ円も緩慢な滑り出しです。欧州時間に移ると、欧州各国のPMIが総崩れのため、90Pips近くの大幅売りに(118.70円→117.84円)。9/12以来の安値となりました。。
その後はユーロの買い戻しが入ります。ジョンソン英首相の議会閉会の合法性に対する英最高裁判断が24日に出ることもあり、一旦売りポジション解消の意図もあったのではないでしょうか。24日当日、英最高裁は議会閉会は「意見」と判断し、これを受けて、ユーロ円は118.50円近くまで回復しました。
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しかし、アメリカから「ウクライナ疑惑」が浮上。市場心理を冷え込ませユーロに対しても円買いが。一過性の反応のため117.90円で下げ止まりますが、ユーロ買いにつながる材料がないため、以降は方向感に欠ける展開へ。
金曜ロンドン時間以降、ユーロ買いが見られて118.40円まで戻す場面が見られ、なんとか108円をキープしたまま金曜クローズを迎えられました。
今週のユーロ円は各国PMI、失業率など経済指標が多数発表予定となっています。ただ、欧州の実体経済の弱さがここしばらく目立っているので、基本的にいい値は出てこないと想定しておいた方がよさそうですね。今週の取引戦略は売りとします。売りエントリーは118.30円、利食いは117.74円、損切りは118.60円とします。
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ポンド円
ポンド円は英議会再開というグッドニュースがあったものの、週全体を通して右肩下がりが印象的でした。
英PMIが不調のため、ポンド円は月曜から1円以上の大きな下げを経験します(134.48→133.40円)。底を打ったものの、アイルランド国境問題の「バックストップ」を巡る協議が進展していないことが浮き彫りとなり、ポンドに買いが入りません。24日に英議会閉会の合法性に関する英最高裁の判決が出るため、市場参加者はこの判決待ちだったようです。
注目の判決は、ジョンソン首相による議会閉会は「違法」と認定。25日に議会再開が決まり、市場はこれを歓迎してポンドに買いが入りました。一時134.59円まで伸びますが、タイミング悪く「ウクライナ疑惑」で伸び幅はチャラに。。。
26日にはカーニーBOE総裁発言がありましたが、気候変動リスクについての発言に終始。金融緩和政策についての発言はなく、惰性的にポンド売りに。その後もポンド買いの材料が皆無のため、ポンド売りが続いています。
加えて、金曜にサンダース英MPC委員が「ブレグジット合意でも、利下げ必要」と発言したことで、ポンド円は50Pipsほど下落(132.91円→132.40円)。買戻しが入りますが、132.60円で金曜クローズとなりました。
GDP、PMIと経済指標の発表が予定されていますが、ブレグジットに関する報道が引き続き相場へ強い影響力を持つ状況は変わらないでしょう。ポンド売りを取引戦略の中心に据えます。133.18円で売りエントリー、利食いは132.60円、損切りは134.50円に設定します。
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以上、ドル円、ユーロ円、ポンド円についてトレード戦略を考えてみました。
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