円の値動きが停滞？ 台風じゃないんだから。。。
最近、円の値動きの幅が小さくなり、短期的な売買での利益を狙う市場参加者やFX取引（CFD取引）を行なう個人投資家も参入しにくい状況が続いてきています。
Brexitに絡んだ、ユーロドルや英ポンドに取引通貨をシフトしている動きも見られる様です。
ドル円の市場参加者が減りドル円の取引量が減れば、ボラティリティは小さくなり、突発的な事件や事故が起これば大きく乱高下するリスクも考えなければなりません。
例年、第4Qはドル高（ドル強）になる傾向があるとされています。
2019年8月1日に108円を下回ってから（8月26日には104円45銭まで）、108円50銭はチャート的に見てもレジスタンスライン、いわゆる頭になってます。
上値は重たく、107円～108円のレンジで、この水準はドル円にとって居心地の良いレベルなのでしょうか。
このレンジをどちらかに動かせるにはかなりインパクトのある事象がないと難しかもしれません。
明日4日（金）の雇用統計でも予想数字が大きくずれる事がなければ、大振れする可能性は高くなく、方向感に欠ける動きに終始するのではないでしょうか。
（非農業部門雇用者数前月比+14.5万人（前回は+13万人）、失業率は前回と変わらず3.7％と予想）
この1年間のドル円の動きを見ると、高値と安値は104円50銭～114円50銭で、10円幅。
過去2年で見ても104円50銭から114円50銭と同じく10円幅で変動率（ボラティリティー）としては10円にしかすぎません。
（ドル円は2012年9月には77円12銭から2015年6月には125円86銭と3年弱で48円74銭（63％）の値上がりに。
1年後の2016年6月には98円91銭。それ以降は大きく見て100円から119円のレンジ取引での推移。）
先進国での通貨別強弱（2019年1月から9月）
1位カナダドル 2位日本円 3位米国ドル 4位スイスフラン 5位英国ポンド 6位豪ドル 7位ユーロドル
ドル円で見て見ると、2位日本円・3位米国ドルとなっており、共に強い通貨です。それ以外（カナダドル以外）は下位になります。
そのためにも、クロス円（スイス円、英国ポンド円、豪円、ユーロ円）の円高に注意をする必要があります。
豪州は、10月1日に豪州準備銀行（中央銀行）が政策金利を0.25％引き下げ0.75％と過去最低にすると発表。今年7月以来で、2019年に入り3度目の利下げとなりました。
年明け2020年2月には更なる利下げで、0.5％になると市場は見始めています。
豪州の8月の失業率も5.3％と前月から悪化し、昨年8月以来の高い水準に。対円で見ても豪ドル売りの円買いをサポートする要因になってしまっている。
円高は進む？
2019年年初と比べた9月末でみると、
ユーロ円では6％強、ポンド円で5％強、豪円で6％弱、南アランド円で6％強、トルコリラ円で8％弱、ブラジルレアル円で約8％の円高になっています。
ドル円では2％弱の円高に過ぎず、クロス円で円高は進む方向になるのでしょうか。
もし、他のクロス円と同程度の約6％の円高があるとするとあと4％（約4円）、つまり104円程度までの円高はありうると考えたほうが良いのかもしれません。
アメリカ利下げ局面でも円安になる？
基本的に米国金利が下がれば、日米金利差が縮小され金利スプレッドの面からみれば、ドルの魅力は薄れドル売り円買いの流れになるとされます。
先月9月のFRBによる利下げを除く、過去25年間中の4回米国金利利下げのうち2回は円買いではなく、円売りによる円相場の下落がみられました。つまり確率は5割。。。
それは1995年7月～1996年1月と2001年1月～2003年6月の時でした。
米国は現在の金利水準からみれば、利下げ余地がまだまだあります。日本はマイナス金利政策の中、追加緩和の余地も乏しくなってきており、日米金利差縮小における円高を警戒するのは日銀としては当然のことなのかもしれません。
VIX指数（変動性指数）
相場を占う上で、市場が重視しているものです。
2019年10月2日に20.56％まで。 20％を越えは、8月27日（20.31％）以来の水準に。
9月13日には13.74％まで低下していて、9月6日から23日までは16％以下で推移。
この指数は、16％を上回ると相場は軟調になるとされていて、現在の20％越えるこの水準は明らかに急速にアメリカ経済の減速に対する警戒感の高まりが要因になってます。
米中貿易交渉の不透明感も不安要因を高めています。
