秋から冬にかけてのドル/円の傾向
過去14年間の月別騰落率をみると、
1月は0.79%下げ、2月も0.13%下げ。3月に1・2月分の下げを取り戻した形で上昇。
6月から8月の3ヶ月間は下げ続け、合計約1.4%の下げに。9月からは反転して、12月まで4ヶ月間上がり続け、合計約2.0%の上昇。
毎年秋から冬にかけては、ドル/円で見てみると上昇圧力が高まる傾向になっています。
9月と10月は0.2%以下の小幅な上昇に留まっていますが、11月には月別でみると最大の1.25%も上昇しています。
(月別で見た最大の下落は、7月-0.83%)
また、今月の10月は注目月でもあります。過去13年の10月は上昇していましたが、2018年に限ってみるとマイナスでした。
果たして2019年はどうでしょうか?
米中貿易戦争・香港問題・北朝鮮ミサイルと非核化問題・トランプ大統領の発言・ウクライナ疑惑。
そして、10月31日に迎える英国のEUから離脱の交渉期限日までに合意なき離脱が成されてしまうのか、
或いは、離脱期限を来年の1月まで延期要請を行うのか残り3週間、目が離せません。
Brexit問題でこのまま合意なき離脱となればポンドを絡んだ通貨の動きには注視しなければなりません。
ポンドの乱高下は、来週以降、10月末に向け要人発言や思惑も絡んで動き始まるかもしれません。
英国ジョンソン首相はEUとの合意の有無にかかわらず、10月31日の期限に離脱する方針を改めて強調していました。
先日とある有名な為替関係のファイナンシャル・コンサルタントの方の話を聞く機会がありました。
先週も申しましたが、ドルと円の力関係を見ると共に他国通貨に対して高い(ドル高/円高)水準になっている状況ですが、今月からEUROは暴騰すると言ってました。
それに伴って、今後はドル体制の崩壊からドル安/円高の方向に進行すると。
時期で見た一般的な動きの確認
四半期の中で動く時間帯
これも円高要因になり得るとされています。
四半期の中でよく注目されているのが、日本企業が受け取る外債の利金・配当を外貨から日本円への円転です。
日本にその外貨資金を送る場合、外貨売り(主にドル売り)/円買いがなされます。⇒ 円高要因
2月、5月、8月、11月の各15日に集中しており、これも各月の数日前から出やすくなります。
四半期末
外国の企業・ファンドや機関投資家は四半期決算を重視するところが多いため、
3月末・6月末・9月末・12月末近くは相場が動きやすくなるとされています。
特に、利食いなどが多くみられるため、それまでの市場の流れ(トレンド)の反対に動くことがあるとされています。
15日
ヘッジファンドの解約ルールで45日前ルールというのがあります。解約するに、その45日前までに連絡が必要というルールです。
特に1年の決算である11月や12月決算(11月決算も多い)の45日前、10月15日や11月15日は要注意日になります。
これまであまり注目されていませんでしたが、リーマンショックの時に相場が大きく揺れ、
利食いだけでなく損切りの解約が多く出たことから注目されるようになってきました。
相場が大きく揺れるとこの話が出やすくなるので注意が必要です。
第4四半期
四半期の中で一番注目されるのは第4四半期です。
10月の大恐慌やブラックマンデーがあり、その年のすべての成績(パフォーマンス)が意識される最後の四半期です。
欧米系の金融機関のファンドやディラー達は1年の利益目標を月ベースで計画した場合、
12ヶ月ではなく11ヶ月、つまり11で割って出た数字を毎月の収益目標にしているケースが多いです。
そして11月までに年間目標をクリアして、12月には早々とクリスマス休暇に入るのが理想とされていました。
しかし、逆に11月までに年間目標をクリアできず成績が振るわなかった場合は、
12月に入ってマーケットの参加者が減少し動きにくくなったマーケットに、クリスマスまでに最後の一勝負を掛けてくる事もあります。
収益目標を達成できなければインセンティブボーナスも期待できないなら一勝負掛けクリアしようとするものです。
月別
10月は波乱の月、そして11月下旬からクリスマスモードに入り、12月は閑散というのが基本的な流れです。
10月は、株や為替で不穏な動きが出やすく、近年は欧州で秋から問題が発生し始める傾向があり、要注意の季節です。
11月は、米国感謝祭(Thanksgiving Day 第4木曜日)からクリスマス・モードに入るため、
1年の閉めはその前まで(2019年は11月28日)。11月15日はヘッジファンド解約の45日前ルール(12月決算ベース)にあたるため要注意日です。
12月は、クリスマス・モードは強まり、通常は超閑散相場となる日が続きます。12月25日は世界的に相場が休場。
前後1日も休みの国々も多く、極端に流動性がなくなるため、大きくポジションを持つ事によるコスト増での決済となるため注意が必要です。