先週末から今週にかけての気になったポイント
12日の米国株式
NYダウが前日比変わらずの2万7691.49ドルでした。そしてこれは14年4月24日以来、約5年7カ月ぶりに前日比変わらずという珍しい終値で取引を終えました。
ダウは高値を更新しつつも、更なる上昇へは疑心暗鬼で、方向感のわかりにくい展開になってきているのではないでしょうか。
米国債の予想変動率指数
過去2年で見ると、2019年8月中旬には90%を超えていた状況から急低下しています。
急ピッチな金利低下局面が転換点を迎えたとの見方が広がったためです。
米国30年国債
5月中旬の2.8%から下落し、6月上旬から7月末にかけて2.6%程度で推移していたものが8月上旬には1.9%の水準にまで低下しています。
9月中旬には2.4%近くまで回復したものの、10月上旬には再び2%に低下。その後は回復し直近は2.3 %超えの水準にまで回復。
チャート的にはWトップを形成して、当面は7月以来となる2.6%を回復できるかが注目です。
日本30年物国債入札
12日行われました。米中貿易交渉の進展期待などによるマーケットの先行き安心感からリスク選好姿勢が強まり、結果、低調な入札で終わりました。
30年債利回りは約5ヶ月ぶりの高水準に。7月末までは0.36%程度で推移し、その後下落。
9月上旬には2016年6月以来3年3ヶ月ぶりとなる0.1%を付ける。現在は0.46%(11月14日)で推移し、5月以来となる0.5%を目指す動きになるのでしょうか?
VIX指数
過去2年を振り返ると、2018年2月上旬と12月下旬に瞬間40を超えていました。2019年8月上旬にも25まで上昇。
チャートを見ると、急激に上昇したときはその後すぐに急下落。
通常は12から20で動いており、直近1ヶ月は12から14での動きでこの2年間で一番の変動が少なかった状況でした。
ウクライナ疑惑の公聴会や米中貿易交渉の合意がなされなく更なる追加関税が実行されれば、再び20程度までの上昇はあるかもしれません。
2019年6月以降、原油や日本株の予想変動率も低下しており、価格は比較的安定しています。
予想変動率やVIX指数の低下により市場に対しての安心感が広がり、投資家は株式などリスク資産を買いまし、比重を高めて行く傾向があります。
変動率の低下がリスク率や量の低下を招き、新たにポジション残高を増やす状況になっています。
世界の金需要
2019年7月から9月の金需要は1107トンで前年同期を3%上回りました。
この時期は景気減速への警戒感が高回り、結果として投資マネーが上場投資信託や中央銀行による金購入に資金が流入した時でした。
2019年4月から6月の8%上昇に比べ伸びは鈍化しています。この時は金融市場の混乱と不透明感が、損失回避による安全資産としての金へシフトした形でした。
200日移動平均とドル円
2019年を振り返ると、ドル円で200日移動平均を超えていたのは瞬間で3月(0.6%)と4月(0.8%)の2回に過ぎません。
1月から2月、5月から10月にかけては乖離がみらていました。そして再び11月、200日移動を超えてきており、7日に付けた直近の高値109円50銭を超え、5月23日以来となる110円を抜けるか大きなポイントになっています。
ちょっと寄り道
ドル円相場は8年サイクルで変動?
ドル円には8年周期と言われているものがあり、認められています。
ちょうど8年前後でドル高・円安がピークをつけていました。
ドル円相場の8年周期
1982年10月:278円50銭 (高値ピーク)
1990年4月:160円35銭 (約7年6ヶ月ぶり高値)
1998年8月:147円63銭 (約8年4ヶ月ぶり高値)
2007年6月:122円64銭 (約8年10ヶ月ぶり高値)
2015年6月:125円81銭 (約8年1ヶ月ぶり高値)
東京インターバンク相場の月中平均のドル円レート(日銀公表)
2015年から4年が経過、2019年11月14日9時現在108円80銭です。
4年間は円高が進行してきた形ですが、これから4年後、市場は再び円安で迎えるのでしょうか?
オリンピックとドル
過去のオリンピック
夏季オリンピック 国 オリンピック前後の値動き
1972 ドイツ/マルク マルク安ドル高
1976 カナダ/カナダドル カナダドル高ドル安
1984 アメリカ/米ドル 米ドル高(対マルク)
高安まちまち(対日本円)
1988 韓国/ウォン ウォン高ドル安
1996 アメリカ/米ドル 米ドル高
2000 オーストラリア/豪ドル 豪ドル安ドル高
2004 ギリシャ/ユーロ ユーロ 高ドル安
2012 イギリス/ポンド ポンド 高ドル安
2016 ブラジル/レアル レアル 高ドル安
2020 日本/円 ?
過去10回のうち、1972年マルク安、2000年豪ドル安という2回のケースは開催国通貨安でしたが、残り8回のオリンピックに関しては、開催国の通貨が「買われている」という傾向が確認できています。
では2020年東京オリンピックに円はドルに対して円高になるのでしょうか?