前回は、タイトルは『2019年は史上最少のドル円変動幅に!!』、年間ベースでの変動幅の狭さに関してでした。
『年間』に続き、『月間』ベースの変動幅も11月は低い水準で終わるのでしょうか。。。
『2019年年間の月ベースでもマーケットは動かなく、残り3日も膠着状態で終わるのか』と思った矢先、11月27日NY市場は感謝祭前の薄商いの中、ドル買いが進みました。
結果、5月31日以来となる約6ケ月ぶりの109円60銭まで上昇。
5月30日の高値は109円94銭で、5月24日以来となる110円台が視野に入ってきたのでしょうか。
11月26日には12日以来となる109円台をつけていましたが、このときは上昇にも力強さを欠けて、109円20銭まででした。
市場では、109円30銭レベルでは大口の売りがあると噂されていてこのレベルでの抵抗線が強く、ドル円の頭が重くなっていて109円50銭レベルもレジスタンスポイントでした。
それまでは流動性の乏しかったドル円マーケットで、市場参加者はお手上げ状態でした。
寒くなってきた今日この頃、寒さは1枚コートを羽織れば解決出来ますが、為替Dealerの首廻りは大変なことになっているのではないでしょうか。
収益の上がらなかった面々のDealer、ここから1ケ月、徐々に薄商いになる中、一発逆転ホームランで収益目標達成となれるのでしょうか。
11月はあと1日半、取引を残していますがこの感じで行くと、月間ベースでの値幅は2014年6月以来4年10ケ月ぶりの狭いレンジになった4月とほぼ同じ変動率で終わりそうな状況です。
(11月の28日現在(日本時間正午)の高値は109円60銭で安値は107円88銭。ドル円の月間値幅は1円72銭で、変動幅は1.59%です。)
(2019年の10月までの平均は2.7%で、最大は1月の4.71%(5円17銭)、最小は4月の1.41%1円57銭でした。)
来週から12月、本日の感謝祭開けからはクリスマスムードで年末商戦に突入。
市場参加者も徐々に減っていき、12月6日の米国雇用統計まではある程度の流動性やマーケットの厚みはあってもそれ以降は閑散になって行くことでしょう。
薄くなっていくマーケットでポジションを取る場合、市場への仕掛け等で大きくブレるリスクがあることを念頭におく必要があります。
年末に向けて110円をトライできるか注目です。
マイナス金利の日本
2019年を振り返ってみると、主要各国の政策金利利下げは、
アメリカ・オーストラリアが3回、
ニュージーランドが2回、
ユーロは1回で、
日本はゼロ回でした。
政策金利の水準の面で見ると、現時点で
アメリカ1.75%、
オーストラリア0.75%、
ニュージーランド1%で、
マイナス金利はユーロ圏-0.5%、
日本-0.1%です。
2008年9月リーマンショック前の8月には、ニュージーランド8%、オーストラリア7.25%で高金利通貨国との位置付けでした。
それが現在は、米国より低い1%以内の低金利通貨国になってしまいました。
アメリカの10年債利回り
2018年10月下旬に3.2%程度から19年9月上旬には1.46%まで下落しました。その後再び上昇して2%超えをトライするも1.9%までで、現在は1.74%程度です。
しかし、2019年1月よりマイナス金利の日本との金利差は2%近くある状況を考慮すると、ドルロング/円ショートのドル買い円売りの方向です。
日米金利差から見るとドル買いで、年内に110円超えをトライする可能性は高くなってきています。
きれいな右肩上がりのニューヨークダウ
11月28日現在、2019年のチャートを振り返ると、1月ニューヨークダウは23346ドルで始まり、4818ドルアップの28164ドルと20.6%も上昇です。。
6月の下げ戻りは大きくなく、その後は徐々に切り上がっていき、過熱感もなく持続的かつ安定的に27000,28000と上昇。
来年は30000ドルも視野に入ってきたのでしょうか。
米株が最高値を更新しながら高値圏で推移する状況での為替はドル円の下落も限定的と思われています。
昨年の2018年12月3日、ダウは25826.43ドルをつけていましたが、24日には21792.20ドルへとわずか3週間で4000ドル以上の大幅下落。
1年前のクリスマスの時には、2019年は下落すると悲観な思いで過ごされていた方も少なくはなかったと思います。
それが、2019年11月終わりにはダウは史上最高値更新を記録。誰がここまでの上昇を予想していたでしょうか。でもこれが現実の相場なのです。
市場参加者は今より明日、明日より来週、来週より来月、来月より半年後、楽観的に現状より良くなると思えば期待で買い、市場は支えられ続伸していきます。
それが今のマーケットなのでしょうか?
しかしながらここまでの上昇となると、全て『Risk On』ではなく、そろそろ懐疑的な動きも見られ、売りから参加するのも心理なのではないでしょうか。
VIX指数
過去2年間の動きを見ると、2019年11月26日には2018年10月以来となる11%台を記録しています。
2018年8月には10%台をつけていましたが、10月25日から1ケ月以上もVIX指数が13%以下で継続されたことはこの2年間はありませんでした。
これは市場に対し、不安要因が限りなく少なくなりつつあるとのことです。
VIX指数は恐怖指数なので、市場に不安感が蔓延してくればまたいつ上昇するか。。。
その意味でもこの11%台レベルのVIX指数は買いのレベルとも言えるのではないでしょうか。