海外FXを利用する上でハイレバは最大の魅力ですが、加えてゼロカットシステムも魅力の一つです。
このシステムがあれば、何が起こるかわからない為替相場でも借金が発生するような大きな損失を出すことがありません。トレーダーにとってはメリットが多いものですが、業者によって条件やタイミングが違ったりするのも事実です。
今回は、業者によってゼロカットシステムの条件やタイミングが違うことやゼロカットシステムが適応されない場合について解説します。トラブルにならないためにもここでしっかりと理解してトレードに臨みましょう。
ゼロカットは業者によって条件がある！
多くの海外FX業者がゼロカットシステムを採用していますが、業者によって細かく条件が異なることは意外と知られていません。
どのように違うかを説明する前にまずは、ゼロカットシステムとは何かについて解説します。
・ゼロカットって何？
ゼロカットシステムとは、口座残高以上の損失が出ないトレーダーにとってはうれしい制度のことをいいます。なぜ、口座残高以上の損失が出ないかというと、FX業者が負担してくれるからです。つまり、国内FXのように追証を気にすることなくトレードが出来るということです。
ちなみに追証とは、急激な相場変動によって口座残高がマイナスになった場合それを埋めるために追加入金することです。
・ゼロカットシステムがある理由は？
なぜ海外FX業者にはゼロカットシステムという便利な制度があるのでしょうか。
2018年7月30日に欧州証券市場監督局（ESMA）がマイナス残高保護いわゆるゼロカットシステム導入を義務化したことにより、欧州を拠点とする海外FX業者を中心に導入されています。
FXの場合、相場が急激に変動する場合があります。例えば、2008年9月にアメリカを起点として生じたリーマンショック時は相場がかつてないほどの急落を起こし、それによって多くの人が大損をしたり破産者が出たりしました。
こうした背景もあり、あまりにも極端な相場変動の際にはトレーダーを保護すべきだとの声が高まったことでこのような制度が出来たと考えられます。
実際、2015年にあったスイスフランショックの際は、ゼロカットシステムによってほとんどの海外FX業者で追証が発生しなかった実例があります。
・ゼロカットは海外業者だけ？
トレーダーを守るためのゼロカットですが、日本のFX業者では適用されません。その理由としては、金融商品取引法によって制限がかけられていることが挙げられます。
金融庁ではこの法律によりによって、国内FX業者のゼロカットシステム採用を禁止しています。これを元に、利益も損失も機会を平等に与えるというのが国内FX業者の基本的な方針といえ、またこれはFX業者自体が倒産しないようにするための施策であるともいえます。
しかし、海外FX業者であっても日本でサービスを提供していればゼロカットは導入できないのではないかと疑問を持つ人もいると思います。
それは違います。なぜなら、日本で金融ライセンスを取得している業者のみにこの法律が適用されるのであって、日本で取得せずゼロカット導入が出来る海外で金融ライセンスを取得していれば日本でゼロカットシステムを提供することはできるのです。
ゼロカットが適応されないのはどんな時
トレーダーを守るためのこのシステムですが、場合によっては適応されない場合もあります。
・ポジションを保有している場合
相場が急激に動いてしまい大損をしたとしても、違うポジションが保有状態にあった場合はゼロカットが適応されません。
仮に大損をしたとしても、他のポジションが保有できている時点で口座残高自体はマイナスになっていませんのでゼロカットは適応されません。これは、他のポジションが保有できている時点で口座残高自体はマイナスになっていないためです。
・規約違反などをしてしまった場合
規約違反をしてトレードしていた場合、ゼロカットが適用されない場合があります。例えば海外FX業者では複数口座での両建てを禁止しています。
両建てとは、1つの通貨ペアで売りと買い両方のポジションを同時に持つことをいいます。
複数口座で両建てをしていると、片方の口座はゼロカットされるのに対し、もう片方はかなり大きな利益を得ることができます。こうなった場合、業者としては大きな損失になるため禁止しているのです。
このほかにも、窓開けや経済指標時のみのトレードやアービトラージいわゆる裁定取引といって、異なる2つの市場の価格差を利用して利益を得ようとする取引なども規約違反になります。また、違反行為は口座凍結になる可能性もありますので絶対しないでください。
・時間がかかる場合がある
ゼロカットは、必ずしも口座残高がマイナスになった瞬間に執行されるわけではありません。業者によっては数時間から数日かかる場合があります。
万が一、マイナスになってしばらく待ってもゼロカットされない場合は問い合わせしてみてください。
ゼロカットのタイミングも業者による？
ゼロカットは、業者によって執行されるタイミングが違います。それぞれの業者におけるゼロカット執行のタイミングをまとめました。
【業者別ゼロカット執行タイミングその1】XMTrading
不定期（即日～3か日後）
※口座残高がマイナスになったらすぐにゼロカットされるわけではないのでしばらく待つ必要がある。
【業者別ゼロカット執行タイミングその2】GemForex
口座残高マイナス後、1時間程度で執行
【業者別ゼロカット執行タイミングその3】AXIORY
口座残高マイナス後、24時間以内に執行
【業者別ゼロカット執行タイミングその4】FBS
口座残高マイナス後、3秒以内に執行
【業者別ゼロカット執行タイミングその5】iFOREX
口座残高マイナス後、24時間以内に執行
【業者別ゼロカット執行タイミングその6】TITANFX
平日のロールオーバー後（日本時間午前7時ごろ）
※ロールオーバーとは、未決済の建玉を翌営業日まで持ち越すこと
【業者別ゼロカット執行タイミングその7】TICKMILL
次回の入金時にゼロカット執行
【業者別ゼロカット執行タイミングその8】HotForex
口座残高マイナス後、1時間～数時間の間に執行。または、次回の入金時に執行
【業者別ゼロカット執行タイミングその9】TRADEVIEW
口座残高マイナス後、即時または、次回の入金時に執行
【業者別ゼロカット執行タイミングその10】LAND-FX
サポートセンターに申請後、執行
【業者別ゼロカット執行タイミングその11】IS6FX
口座残高マイナス後、ポジションを保有しない場合2時間以内に執行
以上11社についてゼロカット執行タイミングをまとめましたが、即座に執行する業者もあれば、数時間から数日かかる場合、または、サポートセンターに申請する必要がある場合など業者によってタイミングが全然違います。
ですので、自分が利用している業者がいつどのタイミングでゼロカットを執行するのかしっかり確認してください。
まとめ
今回は、ゼロカットシステムが適応されるタイミングと対応されない場合について解説しました。
特にゼロカットが執行されるタイミングは、業者によって全然変わってきますので、利用している業者それぞれについてしっかり確認したうえでハイレバトレードしてみてください。
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