「拡張」という意味のフィボナッチという言葉を聞いたことがあっても「フィボナッチエクスパンション」は知らないという人は多いのではないでしょうか。しかしフィボナッチエクスパンションは、FXを行う上で知っておいた方が良い指標の一つです。
今回は、フィボナッチエクスパンションの設定方法と活用方法を紹介します。
フィボナッチエクスパンションとは
トレンドが発生した場合、どこで利確されるのかを予測するために使われることが多いフィボナッチエクスパンションは、簡単にいうとフィボナッチ数列を活用してトレンドの反発点を予測するツールのことです。
基本的に相場は、レンジ→トレンド→レンジを繰り返しますが、上昇トレンドの場合は上がり下がりを繰り返しながら上昇していきます。
しかし、トレンドはいつか終了するので、その反発点を探す際に活用されるのがフィボナッチエクスパンションです。
「フィボナッチリトレースメントと同じなの?」と疑問を持つ人もいますが、フィボナッチリトレースメントとフィボナッチエクスパンションは全く違うものです。
チャートが上下を繰り返して『N』の形になるN波がどこまで伸びるかを予測するフィボナッチエクスパンションに対してリトレースメントは上昇から一旦下降する押し目や、これが底だろうという時に一旦上昇する戻し目のポイントを予測するために活用されています。
フィボナッチの使い方に「これが正しい」ということはなく、絶対に反発するものではありませんが、人が無意識に反応してしまうポイントをフィボナッチ数列で予測しトレードを有利に進めることができるツールだと考えておくと良いでしょう。
MT4の機能/何に使う?/なぜ必要?/
FX相場を分析するには、チャートツールのMT4かMT5を活用しましょう。
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先述した通り、相場の値動きは、トレンド相場とレンジ相場の繰り返しによってほとんどが成り立っています。そのため、チャート上の相場がどこまで続くのかを判断し、トレードでのエントリーや決済のタイミングを確認することが大切になります。
フィボナッチエクスパンションの分析手法をしっかり理解し、上手に活用できれば大きな利益を獲得できるでしょう。
フィボナッチエクスパンションは、MT4の画面上部にあるメニューバーから挿入>フィボナッチ>エクスパンションで表示することができるので、エクスパンションを選択して価格帯を選択します。
実際にチャートを見るとわかりますが、上昇の起点と高値、押し目を結んで価格の到達点を予測するのがフィボナッチエクスパンションです。
そのため、FE61.8やFE100を利確目安位置にした場合、FE61.8%利益が最初の利確目標で、その目標を超えたらFE100、FE161.8というように段階的に次の目標が一目でわかるようになります。
フィボナッチエクスパンションを利用すると、順張りの利確ポイントを判断することや逆張りのエントリーポイントの見極め、他のテクニカル分析との組み合わせによって有効性を高めることができます。
通常であれば、順張りの利確ポイントを確定するのは困難です。しかし、フィボナッチエクスパンションを利用すれば、チャート上の相場状況を見て判断することができるので、一番利益が大きくなるポイントがわかります。
逆張りの場合は、順張りの利確ポイントがエントリーポイントになります。フィボナッチエクスパンションによって判断したエントリーポイントで売りエントリーすれば、大きな利益を上げることも可能です。
フィボナッチエクスパンションは、単体で利用しても十分に分析を行えますが、あくまでも相場の動きを予測するものなので、値動きが予想と反することもあります。
そこで、他のテクニカル分析と組み合わせればさらに有効性を高めることができるでしょう。他のテクニカル分析でも同じような結果が出れば、より正確性が増しトレードでの勝率を高めることも可能です。
フィボナッチエクスパンション基本のラインの引き方は
フィボナッチエクスパンションのラインは、買い方面であれば、底値→最初の高値→次の安値の3点に引くといくつかのラインが各チャートシステムのデフォルトでも自動的に算出されます。
これが「値位置」なので、値位置を越えれば買い、越えなければ戻る可能性が高いので買わないと判断できます。
基本的にリトレースメントと同様に描画ツールでトレンドを見つけて安値と高値を結ぶだけと考えると簡単ですが、リトレースメントと反対側の領域がエクスパンションの領域になっているため、リトレースメントの値は1以下、逆にエクスパンションの値は1以上になります。
フィボナッチエクスパンションを引くときは、高値から安値を結んでトレンドの波を見つけ高値と安値を見極めることが大切です。
また、「値位置を超える」とは、「ローソク足の終値で越える」ことで、ラインを超えることを「ラインブレイク」といいます。
一度ラインを越えた後で、再度同じラインへ戻るような跳ねる動きを「サポートされた」「押し目買い」ともいいます。
しかし、ローソク足の細い部分である上髭で戻ったときは、超えたとはいわないので注意が必要です。
フィボナッチエクスパンションは、基本的にヒゲを無視しませんが、トレンドに関係ないヒゲの場合もあります。これを無視するかはトレーダーによって違いがあり、引き方に正解はないので、自分でしっくりと来るポイントを探すようにしましょう。
フィボナッチエクスパンションを引くタイミングは?
フィボナッチエクスパンションを引くタイミングはトレンドの第一波です。
フィボナッチエクスパンションは、波の認識を間違えてしまうと値が変わってくるので、トレンドの確定を待って確実に第一波をとらえたときに引くことが大切です。
スマホとPCでは違う?
スマホとPCでは、MT4でのフィボナッチエクスパンションの引き方が変わります。
・スマホの場合
チャート画面をタップすると左右に時間足やツールが表示されるので、タップして「オブジェクト追加」と進み「フィボナッチエクスパンション」を選びます。するとチャート画面に戻るので、安値と高値をタップして引っ張ると3点が現れます。現れた3点を微調整しましょう。
・PCの場合
MT4のメニューバーから「挿入」→「フィボナッチ」→「エクスパンション」をクリックするとチャート画面に戻るので、安値から高値へとドラッグして引っ張ります。
表示されたライン上でダブルクリックするとポッチが現れ編集可能となるので、押し安値をチャート上で合わせます。ポッチがある状態でライン上を右クリックし、「Expansionプロパティ」から細かい設定をすることも可能です。
順張りで利確するときのフィボナッチエクスパンションの活用方法は?
順張りで利確するときのフィボナッチエクスパンションの見方は簡単で、「61.8」「100.0」「161.8」のラインを利確ポイントの目安にすることです。
トレンド発生を確認してから押し目買いを入れますが、このときは、押し目や戻りがどこで来るのかを予測するフィボナッチリトレースメントを活用しましょう。
後は各ラインに到達したタイミングで利確をするだけですが、どのラインで確定するかはその人の判断になります。例えば、61.8で利確をするとローリスク・ローリターンですが、161.8まで我慢すれば、ハイリスク・ハイリターンになります。
逆張りするときのフィボナッチエクスパンションの活用方法は?
順張りの利益確定ポイントは、逆張りのエントリーポイントとみることもできます。
例えば、上位足のライン+フィボナッチエクスパンションが重なったような場面は、反発しやすいので、上位足で反発した実績のあるラインとフィボナッチエクスパンションを組み合わせてエントリーの精度を高めてタイミングを見極めることができれば、利食いの値幅も大きくなる可能性があります。
フィボナッチエクスパンションでの利確ポイントを目安にしてみましょう。
ただし、逆張りは、上昇が強いときにエントリーするのでリスクがあるます。反発せずに上昇したらすぐに損切り、ストップロスを入れておくことが得策です。
まとめ
フィボナッチエクスパンションは、トレンドを見つけて安値と高値を結ぶだけで簡単に押し目買いや戻り売りのタイミングを判断することができます。
また、順張りの利確ポイントや逆張りのエントリーポイントの見極めにも大きな力を発揮します。
しかし、値動きの幅が小さいレンジ相場ではあまり機能しないなどのデメリットがあるのも事実です。
フィボナッチエクスパンションの使い方を理解して上手に使いこなすことができれば、相場を的確に読み取り利益を上げることも可能なので、初心者でもわかりやすいフィボナッチエクスパンションを試してみてはいかがでしょうか。
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