固定相場制とは、為替相場の価格を一定の値に固定、または相場の変動を制限する制度のことです。1944年に国際通貨基金(IMF)と国際復興開発銀行が設立され、金と米ドルの交換レートを固定化し(金1オンス=35ドル)、常に米ドルは金と交換可能と定められました。これにより、米ドルを基軸通貨とするIMF体制が始まりました。
固定相場制下では、ドル円相場は1ドル=360円と固定されていました。このように、自国通貨のレートを米ドルに連動させることをドルペッグ制と呼びます。
固定相場制のメリットは為替変動がないため貿易が安定することが挙げられます。その一方で、自国通貨の金利が相手国金利に影響されてしまうというデメリットも存在します。
為替レートの変動により経済が不安定になってしまうような経済的基盤の弱い多くの国では、固定相場制が採用される事が多いが、中央銀行の金融政策が為替相場の維持を目的としてしまうため、 自国における物価安定や景気刺激策としての金融政策を利用出来なくなり、継続的に不安定な経済状況を生み出す原因となる事が多いと言えます。
固定相場制は1973年に終わりを迎え、以後、変動相場制へ移行しました。